アストロレーサーよし丸 第3章

yoshimaru01


第1章 / 第2章 / 第3章


 サキガケサーキットに着陸したよし丸たちを、温かい歓声が包み込んだ。観客たちは、ことの成り行きをバーチャルカメラで見守っていたのである。アストロ本部は、今回のレースの勝者はなしと決定した。「重大で予測不可能なトラブルにより、公正なレースが妨げられた場合、そのレースの結果は評価されない」というルールにもとづいた決定だそうだ。  

 今回のレースでは、誰もアストロ1へのパスポートを手にすることができなかった。だが、よし丸たちを、思いもよらないプレゼントが待っていた。それは、サキガケ市市民栄誉賞受賞という名誉だ。市長は、よし丸、タツ吉、お花の三名に賞が贈られる理由を次のように述べた。

「持てる力を最大限に発揮すべく真剣勝負に挑んだ彼ら。その前に立ちはだかったのがトンデモンでした。そして、その危機を乗り越えられたのは、彼らの固い友情があったからこそです。お互いライバルとして、アストロ1を目指し切磋琢磨する者どうしのかけがえのない、素晴らしい友情です。私は、その友情をたたえ彼らに市民栄誉賞を贈りたいと思います」


 サキガケサーキットの観客も帰った頃、よし丸は整備場で、傷ついたよし丸号の状態を確認した。

「やべーな。翼はたいしたことねえけど、エンジンは修理にしばらくかかりそうだ。次のミニレースに間に合わねぇや・・・」

 よし丸が腕を組んで考え込んでいると、サーキットコースの方からジェット音が響いてきた。行ってみると、アストロパトロールに助けられたボン太のシップが、ネットにからまったままの姿で着陸したところだった。

「ボン太ちゃま! これは何たる醜態ざます。もう恥ずかしくて恥ずかしくて、明日から街でお買い物もできないざますのよ!」

 シップに駆け寄ったボン太の母親が叫んだ。

「ごめんなさい、ママたん。ボク、ママたんと約束したから・・・。一等賞とるって約束したから・・・」

「聞きたくないざます! バツとして今日はお夕飯抜きざます」

「ごめんなさい。ママたん、ごめんなさいボーン」

 ボン太はシップを飛び降り、ツカツカ歩み去る母親の後を追いかけていった。よし丸はプッと吹き出し「なんだか憎めねぇなー」とつぶやいた。


おしまい


ホームページに戻る

Copyright(C)2010-2021 HAYAYOSHI STUDIO.All Right Reserved.